大学受験で重要な古文の文学史の解説(ゴロで覚える)

お断り:この記事には、最初に倉橋先生とゆかいな仲間たちの戯れがあります。お急ぎの方は、上にある目次の見たい項目をクリックすると、その解説に飛びますので、そちらをご利用ください。なお、解説は真面目にしております。
  
  
んー。
文学史を門下生に
覚えさせる方法ないかなー。
  
  
  
  
倉橋先生。ここにいた。
見て下さい!
猫を拾いました。
  
  
  
  
あら、お隣の権兵衛さん。
猫って、抱えている奴?
それ虎じゃないですか?
  
  
  
  
猫ですよー。
だって、ほら。
めっちゃ可愛いじゃ
ないですか。
  
  
  
  
確かに。でも、
シマシマありますよ?
虎模様だから、虎の子供
じゃないですか?
  
  
  
  
本当だ!虎だ。間違えた!
絵下手くそすぎですよ。
誰だよ描いたの?
絵心ねえなあー。
  
  
  
  
・・・・。
(もっと頑張ります)
  
  
  
  
  
ところで、先生、
今、何してたんですか?
  
  
  
  
  
文学史の覚え方を
考えていたんですよ。
何かいい方法が
ないかなあーって。
  
  
  
  
それなら、ゴロで
覚えさせたら、
いいんじゃないですか?
記憶に残りやすいですし。
  
  
  
  
おおー。それ、
いいアイデア。
採用します。
ありがとうございます。
  
  
  
  
ゴロはセンスある
やつにして下さいね。
絵は下手くそなんだから。
  
  
  
  
(ばれてたか…)
はい…。
頑張りまーす。
  
  
  

三大随筆の解説と覚え方

三大随筆とは、①『枕草子』・②『方丈記』・③『徒然草』のことです。
  

随筆とは、自分の体験や感想などを筆に任せて書いたものです。

  

作品の解説は次の通り。

  

枕草子』(まくらのそうし)

作者:清少納言(せいしょうなごん)

成立年:1001年頃

内容:作者が中宮定子に仕えていたころの宮仕えの体験などを述べたもの

学校で習う項目:「春はあけぼの」・「かたはらいたきもの」・「雪のいと高う降りたるを」

  

方丈記』(ほうじょうき)

作者:鴨長明(かものちょうめい)

成立年:1212年

内容:地震や大火事などの天災から感じた仏教的無常観や住居論を述べたもの

学校で習う項目:「ゆく川の流れ」・「安元の大火」

  

徒然草』(つれづれぐさ)

作者:兼好(けんこう)

成立年:1331年頃

内容:人生論や住居論、女性論や仏教信仰論などを述べたもの

学校で習う項目:「つれづれなるままに」・「あだし野の露消ゆるときなく」・「ある者、子を法師になして」

  

○三大随筆の覚え方

語呂での覚え方は次の通り。
  
つれてって
  
→『枕草子』
→『方丈記』
つれ→『徒然草』
  
この語呂は三大随筆の成立順に並んでいますので、かなり優秀です。
  
三大随筆は、作者名もよく聞かれますので、覚えましょう。
  

歴史物語の解説と覚え方

歴史物語とは、歴史的事実を素材として仮名で書かれた物語風の作品のことです。
  
大学入試の文学史の問題でよく聞かれるのは、次の5つです。
  

栄花物語』(えいがものがたり)

作者:諸説あり

成立年:平安時代後期

内容:藤原道長とその息子の頼通の栄華を中心に貴族生活を物語風に述べたもの

学校で習う項目:「世の響き」・「今さらのご対面」

  

大鏡』(おおかがみ)

作者:未詳

成立年:平安時代後期

内容:190歳の大宅世継と180歳の夏山繁樹が藤原道長を中心とする藤原家の栄華を述べたもの

学校で習う項目:「花山天皇の出家」・「三舟の才」・「南の院の競射」

  

今鏡』(いまかがみ)

作者:藤原為経が有力

成立年:平安時代末期

内容:大宅世継の孫の老女が『大鏡』以後の藤原家や村上源氏の動向を述べたもの

学校で習う項目:「歌人頼実」

  

水鏡』(みずかがみ)

作者:中山忠親が有力

成立年:鎌倉時代初期

内容:神武天皇から仁明天皇までの1500年の歴史を述べたもの

学校で習う項目:なし

  

増鏡』(ますかがみ)

作者:二条良基が有力

成立年:室町時代前期

内容:後鳥羽天皇から後醍醐天皇までの154年の歴史を述べたもの

学校で習う項目:「後鳥羽院」・「時頼と時宗」

  
  

○歴史物語の覚え方

語呂での覚え方は次の通り。
  
(はなだいこんみずまし)
  
→『栄花物語』
→『大鏡』
→『今鏡』
→『水鏡』
→『増鏡』
  
この語呂も成立順な並んでいますので、この順番で覚えましょう。
  
歴史物語が入試で出題される場合、『栄花物語』が出題された時は、残りの4つ(鏡物と呼ばれる)を選ぶ問題、逆に「鏡物」が出題された時は、『栄花物語』を選ぶ問題が出されることが多いです。
  

軍記物語の解説と覚え方

軍記物語とは、合戦を主題としてその時代や人物を描いた作品のことです。
  
大学入試の文学史の問題でよく聞かれるのは、次の6つです。
  

保元物語』(ほうげんものがたり)

作者:未詳

成立年:鎌倉時代前期

内容:保元の乱での源為朝の活躍などを描いたもの

学校で習う項目:なし

  

平治物語』(へいじものがたり)

作者:未詳

成立年:鎌倉時代前期

内容:平治の乱での源義平の活躍などを描いたもの

学校で習う項目:なし

  

平家物語』(へいけものがたり)

作者:信濃前司行長が有力

成立年:鎌倉時代前期

内容:平家一門の栄枯盛衰を描いたもの

学校で習う項目:「祇園精舎」・「木曽の最期」・「忠度都落ち」・「能登殿最期」

  
太平記』(たいへいき)

作者:玄恵や小島法師など

成立年:応安年間

内容:南北朝時代の動乱の様子を描いたもの

学校で習う項目:なし

  
曽我物語』(そがものがたり)

作者:未詳

成立年:鎌倉時代末期から室町時代前期

内容:曽我十郎・五郎兄弟の父の敵討ちを描いたもの

学校で習う項目:なし

  
義経記』(ぎけいき)

作者:未詳

成立年:室町時代前期

内容:源義経の生涯を描いたもの

学校で習う項目:「忠信、吉野山の合戦の事」・「如意の渡りにて義経を弁慶打ち奉る事」

  

○軍記物語の覚え方

語呂での覚え方は次の通り。
  
ほう、へいへい、体操着がない(ほうへいへいたいがない)
  
ほう→『保元物語』
へい→『平治物語』
へい→『平家物語』
たい→『太平記』
→『曽我物語』
→『義経記』
  
この語呂も成立順な並んでいますので、この順番で覚えましょう。
  
  
ありがとうございました。
大変覚えやすかったです。
  
  
  
  
  
いえいえ。
こちらこそ、アイデア
ありがとうございました。
  
  
  
  
お礼にこの猫、
倉橋先生に
差し上げますね。
どうぞ。ではさよなら。
  
  
  
  
いらねー。
虎だし、飼えないよー。
  
  
  
  
【山東京伝作『福徳果報兵衛伝』(寛政五年刊)を参考に挿入画を作成】

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