✔この記事で解決できること
・ひらがなで書き下す所が分かります。
・重要表現が分かります。
・現代語訳が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。
お客様です。
会いたかったですよ~。
私のこと、覚えています?
助けてくれましたよ。
みたいですね。
お話し致しましょう。
「漁夫之利」本文
「漁夫之利」書き下し文
※カギカッコの中のひらがなは現代仮名遣いの読み仮名です。色が付いている箇所は漢字をひらがなで書き下す箇所です。助詞と助動詞はひらがなで書き下します。
①今者(いま)臣(しん)来たるとき、易水(えきすい)を過ぐ。
②蚌(ぼう)方(まさ)に出(い)でて曝(さら)す。
③而(しか)して鷸(いつ)其の肉を啄(ついば)む。
④蚌合(ごう)して其の喙(くちばし)を箝(はさ)む。
⑤鷸曰(い)はく、「今日雨ふらず、明日雨ふらずんば、即(すなわ)ち死蚌(しぼう)有らん。」と。
⑥蚌も亦(ま)た鷸に謂(い)ひて曰はく、「今日出でず、明日出でずんば、即ち死鷸(しいつ)有らん。」と。
⑦両者相(あい)舎(す)つるを肯(がえ)んぜず。
⑧漁者(ぎょしゃ)得て之(これ)を并(あわ)せ擒(とら)ふ。
語釈
語句 | 品詞と意味 |
①の文章 | |
今者 | 名詞。意味は「先ほど」。 |
臣 | 代名詞。意味は「私」。家臣が主君に対して自分をへりくだっていう語。 |
易水 | 名詞。河北省を流れる川。 |
②の文章 | |
蚌 | 名詞。意味は「どぶがい・はまぐり」。 |
方ニ | 副詞。読みは「まさ(に)」。意味は「ちょうど」。 |
曝ス | 動詞。読みは「さら(す)」。意味は「日光に当てて干す」。 |
③の文章 | |
而シテ | 接続詞。読みは「しか(して)・しこう(して)」。意味は「そして」。 |
鷸 | 名詞。意味は「しぎ」。 |
啄ム | 動詞。読みは「ついば(む)」。意味は「つついて食う」。 |
其ノ | 指示語。ここでは「蚌」のこと。 |
④の文章 | |
合シテ | 動詞。意味は「合わせる」。 |
箝ム | 動詞。読みは「はさ(む)」。意味は「はさむ」。 |
其ノ | 指示語。ここでは「鷸」のこと。 |
喙 | 名詞。読みは「くちばし」。 |
⑤の文章 | |
曰ハク | 動詞。読みは「い(はく)」。意味は「言う」。 |
不 | 打消の助動詞「ず」。意味は「~ない」。 |
即チ | 副詞。読みは「すなわ(ち)」。意味は「たちまち・すぐに」。 |
死蚌 | 名詞。死んだどぶがいのこと。 |
⑥の文章 | |
亦タ | 副詞。読みは「ま(た)」。意味は「同じく」。 |
謂ヒテ | 動詞。読みは「い(ひて)」。意味は「~に話かける」。 |
死鷸 | 名詞。死んだしぎのこと。 |
⑦の文章 | |
両者 | 名詞。ここでは「鷸」と「蚌」のこと。 |
相 | 接頭語。読みは「あい」。意味は「互いに」。 |
舎ツル | 動詞。読みは「す(つる)」。意味は「離す」。 |
不肯ンゼ | 重要表現。読みは「がえ(んぜ)ず」。意味は「承諾しない」。 |
⑧の文章 | |
而 | 置き字。読まない書き下さない。 |
并セ‐擒フ | 動詞。読みは「あわ(せ)とら(ふ)」。意味は「一緒に捕まえる」。「-(ハイフン・縦点)」は上下の文字を熟語として読むときに用いる。 |
之 | 指示語。ここではここでは「鷸」と「蚌」のこと。 |
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「漁夫之利」和訳・現代語訳
①先ほど、私、蘇代は(ここに来るとき)易水を通り過ぎました。
②どぶがいがちょうど(川から)出て日光浴をしていました。
③そして、しぎが(それを発見して)どぶがいの肉をつついて食べようとしました。
④どぶがいは殻を閉じて、しぎのくちばしをはさみました。
⑤しぎは言いました。「今日、雨が降らず、明日も降らなかったら、たちまち、お前は(干上がってしまって)死んでしまうだろう。」と。
⑥どぶがいも同じくしぎに向かって言いました。「今日、くちばしが抜けず、明日も抜けなかったら、たちまちお前は(飲み食いができず)死んでしまうだろう。」と。
⑦(こうして)両者は互いに離すことを承諾しませんでした。
⑧(それを)漁師が見つけて、しぎとどぶがいを両方とも捕まえてしまいました。
漢文「漁夫の利」の重要事項
・⑦の文章は重要句形がありますので、書き下し文と訳ができるようにしておきましょう。
・③にある「而」と⑧にある「而」は意味が違いますので、分かるようにしておきましょう。
・使者である燕の蘇代がこの話を趙の恵王に話した意図が分かるようにしておきましょう。
→燕と趙がどぶがいとしぎで、両国が争っている間に漁師である強国・秦が、燕と趙を滅ぼしてしまうこと
なったんで。
鳥でーす。
かわいいー。
【 曼亭鬼武作葛飾北斎画『嗚呼唇気楼』(享和三年刊)を参考に挿入画を作成】