『戦国策』「蛇足」の書き下しと現代語訳と重要表現の解説2

この記事で解決できること
・ひらがなで書き下す所が分かります。
・重要表現が分かります。
・現代語訳が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。

  

では、「蛇足」の前回の続きの文章を見ていきましょう。

前回の解説はこちら。

  

『戦国策』「蛇足」の書き下しと和訳と重要表現の解説1

  
  

「蛇足」本文

  

「蛇足」書き下し文

※カギカッコの中のひらがなは現代仮名遣いの読み仮名です。色が付いている箇所は漢字をひらがなで書き下す箇所です。

⑥乃(すなわ)ち左手もて卮(し)を持(じ)し、右手もて蛇を画(えが)きて曰(い)はく、「吾(われ)能(よ)く之(これ)が足を為(つく)る。」と。
⑦未(いま)だ成(な)らるに、一人蛇成る。
⑧其(そ)の卮を奪ひて曰はく、「蛇固(もと)より足無し。子(し)安(いず)くんぞ能(よ)く之が足を為らんや。」と。
⑨遂(つい)に其の酒を飲む。
⑩蛇の足を為る者、終(つい)に其の酒を亡(うしな)ふ。

 

語釈

語句 品詞と意味
⑥の文章  
 乃 副詞。読みは「すなわ(ち)」。意味は「そこで」。
 卮 名詞。意味は「杯」。
 吾 代名詞。読みは「われ」。
 能 副詞。読みは「よ(く)」。意味は「~できる」。
 為 動詞。読みは「つく(ル)」。ここでは「描く」という意味。
⑦の文章   
 未 再読文字。読みは「いま(だ)~ず」。意味は「まだ~ない」。
 之 助詞。読みは「の」。
 成 動詞。意味は「完成する」。
⑧の文章   
 曰ハク 動詞。読みは「い(はく)」。意味は「言った・言うことには」。
 固ヨリ 副詞。読みは「もと(より)」。意味は「もともと」。
 子 代名詞。読みは「し」。意味は「あなた」。
 安クンゾ 疑問詞。読みは「いず(くんぞ)」。意味は「どうして」。
 之 指示語。読みは「これ(が)」。ここでは「蛇」のことを指す。
⑨の文章   
 遂 副詞。読みは「つい(に)」。意味は「そのまま」。
⑩の文章   
 終 副詞。読みは「つい(に)」。意味は「結局」。
 亡 動詞。読みは「うしな(ふ)」。
 其 指示語。読みは「そ(の)」。ここでは「卮」のことを指す。

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「蛇足」和訳・現代語訳

⑥そこで、左手で大杯を持ち、右手で蛇の絵を描きながら、言った。「私は蛇に足を描くこともできる。」と。
⑦(その足が)まだ完成しないうちに、もう一人の蛇の絵が完成した。
⑧(すると二番目に完成させた男は)杯を奪って言った。「蛇にはもともと足はない。あなたはどうして蛇に足を描くことができようか。(いやできない。)」と。
⑨(そう言うと)そのまま杯の酒を飲んでしまった。
⑩蛇に足を描いた者は、結局杯の酒を失ってしまった。

漢文「蛇足」の重要事項 

 
 
いかがでしたでしょうか。
最後にこの文章での
重要な所は次の通りです。
 
 
 

・「乃チ」・「固ヨリ」・「能ク」は読めるようにしておきましょう。

・⑦の文章は再読文字がありますので、書き下し文ができるようにしておきましょう。

・⑧の文章にある「子安能為之足」は現代語訳ができるようにしておきましょう。

  
 
 
いやー。
勉強になりました。
ありがとうございました。
 
 
 
 
それは良かったです。
蛇さんも、足を描いて
もらえてよかったですね。
手もその人に描いて
もらったんですか?
 
 
 
いえ、手はもともと
あるんですよ。
 
 
 
 
……。
よう分からん…。
 
 

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