『論語』「子路君子を問ふ」の書き下しと現代語訳と重要表現の解説

お断り:この記事には、最初に倉橋先生とゆかいな仲間たちの戯れがあります。お急ぎの方は、上にある目次の見たい項目をクリックすると、その解説に飛びますので、そちらをご利用ください。なお、解説は真面目にしております。
この記事で解決できること
・ひらがなで書き下す所が分かります。
・重要表現が分かります。
・現代語訳が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。
  
 
 

先生、どうしたら頭良くなりますか?

 
 
 
うむ、それはね、
たくさん勉強したら
頭が良くなりますよ。
  
 

 
 
それだけですか?
 
 
 
 
あとはたくさん
本を読んでも
良くなりますよ。 
 

 

それだけですか?

 
 
 
 
あとは・・・。
この問答、まるで
『論語』の「憲問篇」
みたいだなぁ。
 
 

 
なにそれ。
先生、教えて下さい。
 
 
 
 
 
よろしい。
お話しましょう。
 
 
 

「子路君子を問ふ」本文

 

「子路君子を問ふ」書き下し文

※カギカッコの中のひらがなは現代仮名遣いの読み仮名です。色が付いている箇所は漢字をひらがなで書き下す箇所です。助詞はひらがなで書き下します。

①子路(しろ)君子(くんし)を問ふ。

②子曰(い)はく、「己(おのれ)を修(おさ)めて以(もっ)て敬(けい)す。」と。

③曰はく、「斯(か)くの如(ごと)きのみか。」と。

④曰はく、「己を修めて以て人を安(やす)んず。」と。

⑤曰はく、「斯くの如きのみか。」と。

⑥曰はく、「己を修めて以て百姓(ひゃくせい)を安んず。

⑦己を修めて以て百姓を安んずるは、

⑧尭(ぎょう)舜(しゅん)も其(そ)れ猶(な)ほ諸(これ)を病(や)めるか。」と。

語釈

語句 品詞と意味
①の文章  
 子路 人名。孔子の弟子。孔門十哲の一人。
 君子 名詞。優れた教養と高い徳を備えた人物のこと。
②の文章   
 子 名詞。孔子の敬称。
 修メテ 動詞。意味は「行いや人格を正しくする・修養する」。
 以 連語。意味は「それで」。
 敬 動詞。意味は「つつしむ」。
③の文章   
 如クノ 連語。読みは「か(くの)ごと(き)」。意味は「このような・こんな」。

※如き(ごとき)は、古文の文法書ですと助動詞に分類され、助動詞はひらがなで書き下すこととなりますが、「ごとし」は、前に「~の」や「~が」という助詞が付くことが多く、助動詞と見なさない説もあります。また、昔から「如し」は、漢字で書かれることが多いことから今回は漢字で表記します。

 而已 助詞。意味は「~だけ」。読みは「のみ」。
 乎 助詞。意味は「~か」。読みは「か」。疑問を表す。
④の文章   
 安ンズ 動詞。意味は「安らかに治める・安定させる」。
⑥の文章  
 百姓 名詞。読みは「ひゃくせい」。意味は「人民・天下の人々」。
⑧の文章   
 堯舜 ともに人名。読みは「ぎょう」と「しゅん」。古代中国で徳をもって天下を治めた伝説の帝王のこと。
 猶 副詞。読みは「な(ほ)」。意味は「やはり」。
 病メリ 動詞。意味は「心をなやます」。
 諸 名詞。読みは「これ」。意味は「これ・このこと」。

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「子路君子を問ふ」和訳・現代語訳

①子路が、孔子先生に君子とはどういう人をいうのかと質問した。

②先生は答えた。「自分自身を修養し、そして自分自身をつつしみ深くすることだ。」と。

③子路は尋ねた。「そのようなことだけでよいのですか。」と。

④先生は答えた。「自分自身を修養し、そして周囲の人々の生活を安定させることだ。」と。

⑤子路は、さらに尋ねた。「そのようなことだけでよいのですか。」と。

⑥先生は答えた。「自分自身を修養し、そして天下の人々の生活を安定させることだ。

⑦自分自身を修養し、天下の人々の生活を安定させることは、

⑧理想的な天子・尭と舜も、やはりこれに苦労されたのだろうか。」と。

漢文「子路君子を問ふ」の重要事項 

 
 
いかがでしたでしょうか。
最後にこの文章での
重要な所は次の通りです。
 
 
 

・③・⑤の文章は書き下し文にできるようにしておきましょう。

・孔子の回答である②と④と⑥⑦⑧の文章の意味の違いが分かるようにしておきましょう。
②→自分自身を修める
④→自分自身を修めて、周りの人を安定させる
⑥⑦⑧→自分自身を修めて、天下の人々を安定させる

   
 
ありがとうございました。
勉強になりました。
 
 
 
 
うむ。
甚太郎君も立派な君子になれるようにもっと勉強して下さい。
 
 
 
 
分かりました。
たくさん勉強します。
 
 
 
 
 
よろしい。
頑張ってね。
 
 
 

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