目次
✔この記事で解決できること
・ひらがなで書き下す所が分かります。
・重要表現が分かります。
・現代語訳が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。
先生、どうしたら頭良くなりますか?
たくさん勉強したら
頭が良くなりますよ。
本を読んでも
良くなりますよ。
それだけですか?
先生、教えて下さい。
「子路君子を問ふ」本文
「子路君子を問ふ」書き下し文
※カギカッコの中のひらがなは現代仮名遣いの読み仮名です。色が付いている箇所は漢字をひらがなで書き下す箇所です。助詞はひらがなで書き下します。
①子路(しろ)君子(くんし)を問ふ。
②子曰(い)はく、「己(おのれ)を修(おさ)めて以(もっ)て敬(けい)す。」と。
③曰はく、「斯(か)くの如(ごと)きのみか。」と。
④曰はく、「己を修めて以て人を安(やす)んず。」と。
⑤曰はく、「斯くの如きのみか。」と。
⑥曰はく、「己を修めて以て百姓(ひゃくせい)を安んず。
⑦己を修めて以て百姓を安んずるは、
⑧尭(ぎょう)舜(しゅん)も其(そ)れ猶(な)ほ諸(これ)を病(や)めるか。」と。
語釈
語句 | 品詞と意味 |
①の文章 | |
子路 | 人名。孔子の弟子。孔門十哲の一人。 |
君子 | 名詞。優れた教養と高い徳を備えた人物のこと。 |
②の文章 | |
子 | 名詞。孔子の敬称。 |
修メテ | 動詞。意味は「行いや人格を正しくする・修養する」。 |
以テ | 連語。意味は「それで」。 |
敬ス | 動詞。意味は「つつしむ」。 |
③の文章 | |
如キ斯クノ | 連語。読みは「か(くの)ごと(き)」。意味は「このような・こんな」。
※如き(ごとき)は、古文の文法書ですと助動詞に分類され、助動詞はひらがなで書き下すこととなりますが、「ごとし」は、前に「~の」や「~が」という助詞が付くことが多く、助動詞と見なさない説もあります。また、昔から「如し」は、漢字で書かれることが多いことから今回は漢字で表記します。 |
而已 | 助詞。意味は「~だけ」。読みは「のみ」。 |
乎 | 助詞。意味は「~か」。読みは「か」。疑問を表す。 |
④の文章 | |
安ンズ | 動詞。意味は「安らかに治める・安定させる」。 |
⑥の文章 | |
百姓 | 名詞。読みは「ひゃくせい」。意味は「人民・天下の人々」。 |
⑧の文章 | |
堯舜 | ともに人名。読みは「ぎょう」と「しゅん」。古代中国で徳をもって天下を治めた伝説の帝王のこと。 |
猶ホ | 副詞。読みは「な(ほ)」。意味は「やはり」。 |
病メリ | 動詞。意味は「心をなやます」。 |
諸 | 名詞。読みは「これ」。意味は「これ・このこと」。 |
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「子路君子を問ふ」和訳・現代語訳
①子路が、孔子先生に君子とはどういう人をいうのかと質問した。
②先生は答えた。「自分自身を修養し、そして自分自身をつつしみ深くすることだ。」と。
③子路は尋ねた。「そのようなことだけでよいのですか。」と。
④先生は答えた。「自分自身を修養し、そして周囲の人々の生活を安定させることだ。」と。
⑤子路は、さらに尋ねた。「そのようなことだけでよいのですか。」と。
⑥先生は答えた。「自分自身を修養し、そして天下の人々の生活を安定させることだ。
⑦自分自身を修養し、天下の人々の生活を安定させることは、
⑧理想的な天子・尭と舜も、やはりこれに苦労されたのだろうか。」と。
漢文「子路君子を問ふ」の重要事項
・③・⑤の文章は書き下し文にできるようにしておきましょう。
・孔子の回答である②と④と⑥⑦⑧の文章の意味の違いが分かるようにしておきましょう。
②→自分自身を修める
④→自分自身を修めて、周りの人を安定させる
⑥⑦⑧→自分自身を修めて、天下の人々を安定させる