✔この記事で解決できること
・形容詞と形容動詞の種類と活用形が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。
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では、「なよ竹のかぐや姫」の前回の続きの文章を見ていきましょう。
前回の解説はこちら。
『竹取物語』「なよ竹のかぐや姫」の現代語訳と重要な品詞の解説1
「なよ竹のかぐや姫」本文
竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけ【注1】て後に竹取るに、節を隔てて、よ【注2】ごとに、黄金ある竹を見つくること重なりぬ【注3】。かくて【注4】、翁やうやう【注5】豊かに【注6】なりゆく。
この児、やしなふほどに、すくすくと大きに【注7】なりまさる【注8】。三月【注9】ばかりになる【注10】ほどに、よきほどなる【注11】人になりぬれ【注12】ば、髪上げ【注13】などとかく【注14】して髪上げさせ【注15】、裳【注16】着す【注17】。帳【注18】のうちよりもいださず【注19】、いつき【注20】やしなふ。
この児のかたち【注21】の【注22】きよらなる【注23】こと世になく、屋のうちは暗き所なく光満ちたり【注24】。翁、心地悪しく【注25】苦しきときも、この子を見れば苦しきこともやみぬ【注26】。腹立たしき【注27】ことも慰みけり【注28】。
「なよ竹のかぐや姫」重要な品詞と語句の解説
語句【注】 | 品詞と意味 |
1 見つけ | カ行下二段動詞「見つく」の連用形。意味は「見つける」。 |
2 よ | 名詞。竹の節と節の間のこと。 |
3 重なりぬ | ラ行四段動詞「重なる」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の終止形。意味は「重なった」。 |
4 かくて | 接続詞。意味は「こうして」。 |
5 やうやう | 副詞。意味は「しだいに」。 |
6 豊かに | ナリ活用の形容動詞「豊かなり」の連用形。 |
7 大きに | ナリ活用の形容動詞「大きなり」の連用形。 |
8 なりまさる | ラ行四段動詞「なりまさる」の終止形。意味は「ますます~になる」。 |
9 三月 | 名詞。意味は「三か月」。 |
10 なる | ラ行四段動詞「なる」の連体形。 |
11 なる | 断定の助動詞「なり」の連体形。 |
12 なりぬれ | ラ行四段動詞「なる」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の已然形。意味は「なった」。 |
13 髪上げ | 名詞。12歳から15歳に成長した女子が子供の髪型を改めて、髪を結いあげる女性の成人式のこと。 |
14 とかく | 副詞。意味は「あれこれ」。 |
15 上げさせ | ガ行下二段動詞「上ぐ」の未然形+使役の助動詞「さす」の連用形。意味は「上げさせる」。 |
16 裳 | 名詞。読みは「も」。成人女性の正装の名前。 |
17 着す | サ行下二段動詞「着す」の終止形。意味は「着せる」。 |
18 帳 | 名詞。目隠しのために垂らすたれぎぬのこと。 |
19 いださず | サ行四段動詞「いだす」の未然形+打消の助動詞「ず」の連用形。意味は「出さない」。 |
20 いつき | カ行四段動詞「いつく」の連用形。意味は「大切に育てる」。 |
21 かたち | 名詞。意味は「容姿」。 |
22 の | 格助詞の主格。意味は「~が」。 |
23 きよらなる | ナリ活用の形容動詞「きよらなり」の連体形。意味は「美しい」。 |
24 満ちたり | タ行四段動詞「満つ」の連用形+存続の助動詞「たり」の終止形。意味は「満ちている」。 |
25 悪しく | シク活用の形容詞「悪(あ)し」の連用形。意味は「悪い」。 |
26 やみぬ | マ行四段動詞「やむ」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の終止形。意味は「止んだ」。 |
27 腹立たしき | シク活用の形容詞「腹立たし」の連体形。 |
28 慰みけり | マ行四段動詞「慰む」の連用形+過去の助動詞「けり」の終止形。意味は「気がまぎれた」。 |
「なよ竹のかぐや姫」現代語訳
竹取の翁が竹を取るのに、この子を見つけた後に竹を取る際に、(竹の)節と節との間に、黄金の入っている竹を見つけることが重なった。こうして、翁はだんだん豊かになってゆく。
この子は、育てるうちに、すくすくと大きく成長していく。三か月ぐらいになるほどに、ちょうどよい背たけの人になったので、髪上げの儀式などあれこれと準備して、髪を上げさせ、裳を着せる。帳の中から出さずに、大切に育てる。
この子の容姿が美しいことは、世に例がなく、家の中は暗い所がなく光が満ちている。翁は、気分が悪く、苦しいときも、この子を見ると、苦しいことも止んだ。腹立たしいことも気がまぎれた。
この子は、育てるうちに、すくすくと大きく成長していく。三か月ぐらいになるほどに、ちょうどよい背たけの人になったので、髪上げの儀式などあれこれと準備して、髪を上げさせ、裳を着せる。帳の中から出さずに、大切に育てる。
この子の容姿が美しいことは、世に例がなく、家の中は暗い所がなく光が満ちている。翁は、気分が悪く、苦しいときも、この子を見ると、苦しいことも止んだ。腹立たしいことも気がまぎれた。
いかがでしたでしょうか。
この箇所で特に重要な文法事項は次の通りです。
・本文中にある形容動詞が分かるようになっておきましょう。
・注10と11の「なる」の品詞が分かるようにしておきましょう。
(注10→動詞、注11→助動詞)
続きは以下のリンクからどうぞ。
『竹取物語』「なよ竹のかぐや姫」の現代語訳と重要な品詞の解説3