
また、庭に


すいません。勝手に
食事始めちゃって。



思ったわ。


みたいですね。


お話し致しましょう。
「臥薪嘗胆」本文

「臥薪嘗胆」書き下し文
※カギカッコの中のひらがなは現代仮名遣いの読み仮名です。色が付いている箇所は漢字をひらがなで書き下す箇所です。助詞と助動詞はひらがなで書き下します。
①呉王(ごおう)闔廬(こうりょ)、伍員(ごうん)を挙(あ)げて国事を謀(はか)らしむ。
②員、字(あざな)は子胥(ししょ)、楚人(そひと)伍奢(ごしょ)の子なり。
③奢、誅(ちゅう)せられて呉に奔(はし)り、呉の兵を以(ひき)ゐて郢(えい)に入る。
④呉、越(えつ)を伐(う)つ。
⑤闔廬傷つきて死す。
⑥子の夫差(ふさ)、立つ。
⑦子胥、復(ま)た之に事(つか)ふ。
⑧夫差、讎(あだ)を復(ふく)せんと志す。
⑨朝夕(ちょうせき)薪中(しんちゅう)に臥(が)し、出入(しゅつにゅう)するごとに人をして呼ばしめて曰(い)はく、
⑩「夫差、而(なんじ) 越人(えつひと)の而(なんじ)の父を殺ししを忘れたるか。」と。
⑪周の敬王(けいおう)の二十六年、夫差、越を夫椒(ふしょう)に敗(やぶ)る。
語釈
| 語句 | 品詞と意味 |
| ①の文章 | |
| 闔廬 | 名詞。春秋時代の呉の王の名前。 |
| 挙ゲテ | 動詞。意味は「重く用いる・重用する」。 |
| 伍員 | 名詞。春秋時代の楚の武人。父と兄が楚の王に殺されたため、呉に亡命した。字は子胥。 |
| 謀ラシム | 動詞。意味は「考えをめぐらせる・当たらせる」。 |
| 国事 | 名詞。意味は「国の政治」。 |
| ②の文章 | |
| 伍奢 | 名詞。春秋時代の楚の武人。 |
| 之 | 助詞。読みは「の」。意味は「~の」。 |
| ③の文章 | |
| 誅セラレテ | 動詞。意味は「罪をきせられて殺される」。 |
| 而 | 置き字。読まない書き下さない。 |
| 奔リ | 動詞。意味は「逃亡する・亡命する」。 |
| 以ヰテ | 動詞。読みは「ひき(いる)」。意味は「率いる」。 |
| 入ル | 動詞。意味は「攻め入る」。 |
| 郢 | 名詞。地名。楚の都。 |
| ④の文章 | |
| 伐ツ | 動詞。意味は「討伐する・討つ」。 |
| 越 | 名詞。国名。 |
| ⑤の文章 | |
| 而 | 置き字。読まない書き下さない。 |
| ⑥の文章 | |
| 夫差 | 名詞。呉王。闔廬の子。 |
| 立ツ | 動詞。意味は「王位につく」。 |
| ⑦の文章 | |
| 復タ | 副詞。読みは「ま(た)」。意味は「同じく」。 |
| 事フ | 動詞。読みは「つか(ふ)」。意味は「仕える」。 |
| ⑧の文章 | |
| 志ス | 動詞。意味は「目標に立てる・決意する」。 |
| 復セント | 動詞。読みは「ふく(せんと)」。意味は「報いようとする」。 |
| 讎 | 名詞。読みは「あだ」。「讐」と同じ意味。 |
| ⑨の文章 | |
| 臥シ | 動詞。意味は「寝る」。 |
| 使ム人ヲシテA | 連語。重要句形。読みは「人(をして)Aし(む)」。意味は「人にAをさせる」。「使」は使役の助動詞。Aには動詞が入る。 |
| ⑩の文章 | |
| 而 | 代名詞。読みは「なんじ」。意味は「お前」。 |
| 之 | 格助詞の主格。読みは「の」。意味は「~が」。 |
| 邪 | 疑問の助詞。読みは「か」。意味は「~か」。 |
| ⑪の文章 | |
| 周ノ敬王ノ二十六年 | 連語。前四九四年。 |
| 于 | 置き字。読まない書き下さない。 |
| 夫椒 | 名詞。山の名前。 |
「臥薪嘗胆」和訳・現代語訳
①呉王の闔廬は、伍員を重用して、国政に当たらせた。
②伍員は字を子胥といい、楚の国の人、伍奢の子である。
③伍奢が(楚の王に)殺されたので、(伍員は)呉の国に亡命し、呉の兵を率いて、楚の都の郢に攻め入った。
④(その後)呉は越の国を討ち入った。
⑤(その時)闔廬は負傷し、(それがもとで)死んでしまった。
⑥(その後)闔廬の子の夫差が王位についた。
⑦子胥は、先代と同じく夫差に仕えた。
⑧夫差は父の仇を報いようと決意した。
⑨毎日薪を敷いた中に寝て、自室に出入りするたびごとに、家臣に叫ばせて、言わせた。⑩「夫差よ、お前は越人が、お前の父を殺したのを忘れたのか。」と。
⑪(このような努力をし、)周の敬王の二十六年(前四九四年)に、(ついに)夫差は越の軍を夫椒山で討ち破った。
漢文「臥薪嘗胆」の重要事項

・⑨の文章にある「使ム人ヲシテA」は重要句形ですので、書き下し文と訳ができるようにしておきましょう。
・③と⑤にある「而」と⑩にある「而」は意味が違いますので、分かるようにしておきましょう。
・⑩の文章は書き下しができるようにしておきましょう。
続きは以下のリンクからどうぞ。
【十返舎一九作画『化物太平記』(享和四年刊)を参考に挿入画を作成】
