・ひらがなで書き下す所が分かります。
・重要表現が分かります。
・現代語訳が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。
では、「先づ隗より始めよ」の前回の続きの文章を見ていきましょう。
前回の解説はこちら。
『十八史略』「先づ隗より始めよ」の書き下しと和訳と重要表現の解説1
「先づ隗より始めよ」本文
「先づ隗より始めよ」書き下し文
※カギカッコの中のひらがなは現代仮名遣いの読み仮名です。色が付いている箇所は漢字をひらがなで書き下す箇所です。
⑨隗(かい)曰(い)はく、「古(いにしえ)の君に、千金を以(もつ)て涓人(けんじん)をして千里の馬を求めしむる者有り。
⑩死馬の骨を五百金に買ひて返る。
⑪君怒る。涓人曰はく、『死馬すら且(か)つ之を買ふ。
⑫況(いわ)んや生ける者をや。
⑬馬今に至(いた)らん。』と。
⑭期年(きねん)ならずして、千里の馬至る者三(さん)あり。
⑮今、王必ず士を致さんと欲(ほっ)せば、先(ま)づ隗より始めよ。
⑯況んや隗よりも賢なる者、豈(あ)に千里を遠しとせんや。」と。
⑰是(ここ)に於(お)いて、昭王隗の為(ため)に改めて宮を築き、之に師事せり。
⑱是に於いて、士争ひて燕に趨(おもむ)く。
語釈
語句 | 品詞と意味 |
⑨の文章 | |
之 | 助詞。読みは「の」。 |
以テ | 動詞。読みは「もつ(て)」。意味は「用いて」。 |
使ムル | 使役の助動詞。読みは「し(むる)」。意味は「~させる」。 |
涓人 | 名詞。読みは「けんじん」。意味は「召使い」。 |
千里ノ馬 | 名詞。意味は「千里走る馬」。 |
⑩の文章 | |
死馬 | 名詞。意味は「死んだ馬」。 |
而 | 置き字。読まない書き下さない。 |
返ル | 動詞。意味は「帰ってくる」。 |
⑪の文章 | |
且ツ | 副詞。読みは「か(つ)」。「~すら且つ~。」という形で、意味は「~でさえ~である」。 |
⑫の文章 | |
況ンヤ~乎 | 抑揚の構文。読みは「いわ(んや)~や」。意味は「まして~はなおさらだ」。「乎」は助詞。 |
⑬の文章 | |
至ラン | 動詞。読みは「いた(らん)」。意味は「やってくるでしょう」。 |
矣 | 置き字。読まない書き下さない。 |
⑭の文章 | |
不シテ | 打消の助動詞。読みは「ず(して)」。 |
期年 | 名詞。読みは「きねん」。意味は「一年」。 |
者 | 名詞。意味は「こと」。 |
⑮の文章 | |
欲セバ | 動詞。読みは「ほっ(せば)」。意味は「望むなら」。 |
士 | 名詞。意味は「賢人・賢士」。 |
従リ | 助詞。読みは「よ(り)」。意味は「~から」。 |
⑯の文章 | |
於 | 置き字。読まない書き下さない。 |
豈ニ~哉 | 反語の構文。読みは「あ(に)~や」。意味は「どうして~か。いや~だ。」。 |
⑰の文章 | |
於イテ是ニ | 接続詞。読みは「ここ(に)お(いて)」。意味は「こうして・これゆえに」。 |
宮 | 名詞。意味は「邸宅」。 |
師事ス | 動詞。意味は「師事する」。 |
之 | 指示語。ここでは「郭隗」を指す。 |
⑱の文章 | |
趨ク | 動詞。読みは「おもむ(く)」。意味は「やってくる」。 |
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「先づ隗より始めよ」和訳・現代語訳
⑨郭隗は答えて言った。「古来の王で、召使いに千金を持たせて千里走る名馬を探し求めさせた方がいました。
⑩(その召使いは)死んだ馬の骨を五百金で買って帰ってきました。
⑪王は怒りました。召使いが答えて言いました。『死んだ馬の骨でさえ五百金で買ったのです。
⑫まして生きた名馬は高く買うのはなおさらです。
⑬(ですから)名馬はいまにやってくるでしょう。』と。
⑭(召使いの言った通り)一年も経たないうちに、千里走る名馬が届くことが三度もありました。
⑮今、昭王様がなんとしても天下の賢人を集めたいとお望みなら、先ず私(隗)からお始めください。
⑯(そうすれば)まして私より賢い人たちは、なおさらのことで、どうして千里の道を遠いと思うでしょうか。いや、遠いとも思わずやってきます。」と。
⑰こうして、昭王は郭隗のために新たに邸宅を造り、郭隗を先生として敬い仕えた。
⑱こうして、天下の賢人は先を争って燕にやってきた。
漢文「先従隗始」の重要事項
・⑨の文章にある「有以千金使涓人求千里馬者」は、使役の重要構文ですので、書き下しと現代語訳ができるようにしておきましょう。
・⑪の文章にある「死馬且買之」は現代語訳ができるようにしておきましょう。
・⑫の文章は現代語訳ができるようにしておきましょう。
・⑯の文章は現代語訳ができるようにしておきましょう。
・「於是」は読めるようにしておきましょう。
名壺に「鮑」って
あるでしょ?
貝じゃないんかいー。