『徒然草』「ある人、弓射ることを習ふに」の現代語訳と重要な品詞の解説2

  

では、「ある人、弓射ることを習ふに」の前回の続きの文章を見ていきましょう。

前回の解説はこちら。

  
  

『徒然草』「ある人、弓射ることを習ふに」の現代語訳と重要な品詞の解説1

  
  

本文

 道を学する【注1】人、夕べには【注2】あらん【注3】ことを思ひ【注4】、朝には夕べあらんことを思ひて、かさねて【注5】ねんごろに【注6】修せん【注7】ことを期す【注8】いはんや【注9】一刹那【注10】のうちにおいて、懈怠の心ある【注11】ことを知らんや【注12】なんぞ【注13】、ただ今の一念【注14】において、ただちにする【注15】こと【注16】はなはだ【注17】難き【注18】

  

重要な品詞と語句の解説

語句【注】 品詞と意味
1 学する サ変動詞「学す」の連体形。意味は「修行する」。
2 朝 名詞。読みは「あした」。意味は「翌朝」。
3 あらん ラ変動詞「あり」の未然形+婉曲の助動詞「ん」の連体形。意味は「あるような」。
4 思ひ ハ行四段動詞「思ふ」の連用形。
5 かさねて 副詞。意味は「もう一度」。
6 ねんごろに ナリ活用の形容動詞「ねんごろなり」の連用形。意味は「念入りに・熱心に」。
7 修せん サ変動詞「修す」の未然形+意志の助動詞「ん」の連体形。意味は「修行しよう」。
8 期す サ変動詞「期(ご)す」の終止形。意味は「期待する」。
9 いはんや 副詞。意味は「まして」。
10 一刹那 名詞。意味は「一瞬」。読みは「いつせつな」。
11 ある ラ変動詞「あり」の連体形。
12 知らんや ラ行四段動詞「知る」の未然形+推量の助動詞「ん」の終止形+反語の係助詞「や」。意味は「分かるだろうか。(いや分からない。)」。
13 なんぞ 副詞。意味は「なんと」。
14 一念 名詞。意味は「一瞬」。
15 する サ変動詞「す」の連体形。
16 の 格助詞の主格。意味は「~が」。
17 はなはだ 副詞。意味は「たいそう」。
18 難き ク活用の形容詞「難(かた)し」。の連体形。意味は「難しい」。係助詞の「ぞ」に呼応している。

係り結びの法則については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。

係り結びの法則の解説

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現代語訳

 仏道を修行する人は、夕方には翌朝があるようなことを思い、朝には夕方があるようなことを思って、もう一度、念を入れて修行しようと期待してしまう。まして、一瞬の中に怠ける心があることをどうして分かるだろうか。(いや分からない。)たった今の一瞬において、直ちに実行することが何とたいそう難しいことなのであろうよ。

  

いかがでしたでしょうか。

この箇所で特に重要な文法事項は次の通りです。

  
  

・上にある「重要な品詞と語句の解説」で赤く色が付いてある形容詞と形容動詞の種類と活用形が分かるようにしておきましょう。

・注18の係り結びの法則が分かるようにしておきましょう。

・注2・10の漢字の読みが分かるようにしておきましょう。

  
  
  

ありがとうございました。
とても勉強になりました。

  
  
  
  
 それは良かった。
私の思いを生徒に
伝えて下さい。
  
  

  

あっ、ところで、
私に来たあまぞんの
荷物、中身は何ですか?

  

  

ワタベ高校野球の
味方です。」って
書いてありますよ。
  

  
  
  

今、何かと旬な人ー!!
今、味方がいない人ー!!  

  
  
  


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