では、「出家の決意」の前回の続きの文章を見ていきましょう。
前回の解説はこちら。
本文
ここも都にはあらず【注1】、北山の麓といふ所なれ【注2】ば、人目しげからず【注3】。木の葉の陰につきて、夢のやうに【注4】見置きし【注5】山路をただ一人行く心地、いといたく【注6】あやふくもの恐ろしかりける【注7】。山人の目にもとがめぬ【注8】ままに、あやしく【注9】ものぐるほしき【注10】姿したる【注11】も、すべてうつつ【注12】のことともおぼえず【注13】。さても、かの所、西山の麓なれ【注14】ば、いとはるかなる【注15】に、夜中より降り出でつる【注16】雨の【注17】、明くる【注18】ままに、しほしほと【注19】濡るる【注20】ほどになりぬ【注21】。ふるさとより嵯峨のわたりまでは、少しも隔たらず【注22】見渡さるる【注23】ほどの道なれ【注24】ば、さはり【注25】なく行き着きぬ【注26】。
重要な品詞と語句の解説
語句【注】 | 品詞と意味 |
1 にはあらず | 断定の助動詞「なり」の連用形+係助詞「は」+ラ変動詞「あり」の未然形+打消の助動詞「ず」の終止形。意味は「ではない」。
「に」の見分け方については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。 |
2 なれ | 断定の助動詞「なり」の已然形。 |
3 しげからず | ク活用の形容詞「しげし」の未然形+打消の助動詞「ず」の終止形。意味は「多くない」。 |
4 やうに | 比況の助動詞「やうなり」の連用形。意味は「~ようだ」。 |
5 見置きし | カ行四段動詞「見置く」の連用形+過去の助動詞「き」の連体形。意味は「前もって見ていた」。 |
6 いたく | ク活用の形容詞「いたし」の連用形。意味は「ひどい」。 |
7 もの恐ろしかりける | シク活用の形容詞「もの恐ろし」の連用形+過去の助動詞「けり」の連体形。意味は「恐ろしかった」。 |
8 とがめぬ | マ行下二段動詞「とがむ」の未然形+打消の助動詞「ず」の連体形。意味は「怪しまない」。 |
9 あやしく | シク活用の形容詞「あやし」の連用形。意味は「粗末だ」。 |
10 ものぐるほしき | シク活用の形容詞「ものぐるほし」の連体形。意味は「どうかしている」。 |
11 したる | サ変動詞「す」の連用形+存続の助動詞「たり」の連体形。意味は「している」。 |
12 うつつ | 名詞。意味は「現実」。 |
13 おぼえず | ヤ行下二段動詞「おぼゆ」の未然形+打消の助動詞「ず」の終止形。意味は「思われない」。 |
14 なれ | 断定の助動詞「なり」の已然形。 |
15 はるかなる | ナリ活用の形容動詞「はるかなり」の連体形。 |
16 降り出でつる | ダ行下二段動詞「降り出づ」の連用形+完了の助動詞「つ」の連体形。意味は「降り出した」。 |
17 の | 格助詞の主格。意味は「~が」。
「の」の見分け方については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。 |
18 明くる | カ行下二段動詞「明く」の連体形。 |
19 しほしほと | 副詞。意味は「しとしと」。 |
20 濡るる | ラ行下二段動詞「濡る」の連体形。意味は「濡れる」。 |
21 なりぬ | ラ行四段動詞「なる」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の終止形。意味は「なった」。 |
22 隔たらず | ラ行四段動詞「隔たる」の未然形+打消の助動詞「ず」の連用形。意味は「隔てない」。 |
23 見渡さるる | サ行四段動詞「見渡す」の未然形+可能の助動詞「る」の連体形。意味は「見渡せる」。 |
24 なれ | 断定の助動詞「なり」の已然形。 |
25 さはり | 名詞。意味は「さしつかえ」。 |
26 行き着きぬ | カ行四段動詞「行き着く」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の終止形。 |
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現代語訳
いかがでしたでしょうか。
この箇所で特に重要な文法事項は次の通りです。
・注20と23の「るる」の識別ができるようにしておきましょう。
(注20→動詞の一部、注23→可能の助動詞)
・注1は重要表現ですので、品詞分解ができるようにしておきましょう。
ありがとうございました。
出家の覚悟って
大変なんですね。
そうですね。皆さん、
相当な覚悟を持って
望んでいますね。
なるほど。
私も、討ち入りを
相当な覚悟を持って、
望みたいと思います。
頑張ってください。
早く見つかるといいですね。
吉良上野介。
吉良上野介??
違います。
私が探しているのは、
吉良上野介ではありません。
えっ?違うの?
四十七士の恰好してるから、
勘違いしちゃいましたよ。
一体誰探しているんですか?
吉良吉影です。
私が探しているの吉良は。
スタンド使いの。
そっちの吉良かーい!!
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