韓愈「雑説」の書き下しと現代語訳と重要表現の解説2

この記事で解決できること
・ひらがなで書き下す所が分かります。
・重要表現が分かります。
・現代語訳が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。

  

では、「雑説」の前回の続きの文章を見ていきましょう。

前回の解説はこちら。

  

韓愈「雑説」の書き下しと和訳と重要表現の解説1

  
  

「雑説」本文

  

「雑説」書き下し文

※カギカッコの中のひらがなは現代仮名遣いの読み仮名です。色が付いている箇所は漢字をひらがなで書き下す箇所です。

⑩且(か)つ常馬(じょうば)等(ひと)しからんと欲(ほっ)するも、得(う)べからず
⑪安(いず)くんぞ其(そ)の能(のう)の千里なるを求めん
⑫之(これ)を策(むち)うつに其の道を以(もっ)てせ
⑬之を食(やしな)ふに其の材を尽(つ)くさしむる能(あた)は
⑭之に鳴けども其の意に通(つう)ずる能は
⑮策を執(と)りて之に臨(のぞ)みて曰(い)はく、「天下に馬無し。」と。
⑯嗚呼、其れ真に馬無き
⑰其れ真に馬を知らざるか

 

語釈

語句 品詞と意味
⑩の文章  
 且 接続詞。読みは「か(つ)」。意味は「その上」。
 欲スルモ 動詞。読みは「ほっ(するも)」。意味は「望んでも」。
 与 助詞。読みは「と」。意味は「~と」。
 常馬 名詞。意味は「普通の馬・通常の馬」。
 等シカラント 動詞。読みは「ひと(しからんと)」。意味は「同じようにありたいと・平等でありたいと」。
 不可カラ 重要表現。読みは「うべ(から)ず」。意味は「~できない」。「不」は打消の助動詞、「可」は可能の助動詞。
⑪の文章   
 安クンゾ~也 重要表現。読みは「いず(くんぞ)~や」。意味は「どうして~か。いや~だ。」。「也」は助詞で、反語を表す。
 其 指示語。読みは「そ(の)」。ここでは「馬」を指す。
 能 名詞。意味は「能力」。
⑫の文章   
 策ウツニ 動詞。読みは「むち(うつに)」。意味は「鞭で打つのに」。
 之 指示語。ここでは「千里馬」を指す。
 不以テセ 助動詞+動詞。読みは「もっ(てせ)ず」。意味は「用いない・扱わない」。
 其 指示語。読みは「そ(の)」。ここでは「千里馬」を指す。
 道 名詞。意味は「方法」。
⑬の文章   
 食フニ 動詞。読みは「やしな(ふに)」。意味は「育てる・飼育する」。
 之 指示語。ここでは「千里馬」を指す。
 不能 重要表現。読みは「あた(は)ず」。意味は「できない」。「不」は打消の助動詞。
 尽クサシムル 動詞。読みは「つ(くさしむる)」。意味は「発揮させる」。
 其 指示語。読みは「そ(の)」。ここでは「千里馬」を指す。
 材 名詞。意味は「才能」。
⑭の文章   
 之 指示語。ここでは「食馬者」を指す。
 而 置き字。読まない書き下さない。
 通ズル 動詞。読みは「つう(ずる)」。意味は「理解する」。
 其 指示語。読みは「そ(の)」。ここでは「千里馬」を指す。
 意 名詞。意味は「気持ち・意図」。
⑮の文章   
 執リテ 動詞。読みは「と(りて)」。意味は「手にして」。
 而 置き字。読まない書き下さない。
 臨ミテ 動詞。読みは「のぞ(みて)」。意味は「向かって」。
 之 指示語。ここでは「千里馬」を指す。
 曰ハク 動詞。読みは「い(はく)」。意味は「言った」。
⑯の文章   
 嗚呼 感動詞。読みは「ああ」。
 其~邪 重要表現。読みは「そ(れ)~か」。意味は「いったい~か」。「邪」は助詞で疑問を表す。
 真 副詞。読みは「しん(も)」。意味は「本当に」。
⑰の文章   
 其~也 重要表現。読みは「そ(れ)~か」。意味は「それとも~か」。「也」は助詞で疑問を表す。「其~邪、其~也。」で選択疑問の形を表す。
 不 助動詞+動詞。読みは「し(ら)ざ(る)」。意味は「見抜けない」。

スポンサーリンク

「雑説」和訳・現代語訳

⑩その上、普通の馬と同じようにいたいと望んでも、(それすら)できない。
⑪どうして馬の能力で千里も走るものを探し求められようか、いや探し求められない。
⑫(馬の飼い主は)千里の馬を鞭を打つのに、千里の馬にふさわしい方法を用いない。
⑬千里の馬を育てる際も、その才能を十分発揮させることもできない。
⑭(千里の馬が、)飼い主に鳴いて訴えるが、(飼い主は)その気持ちを理解することもできない。
⑮むちを手にして、千里の馬に向かってこう言う、「この世には、いい馬がいない。」と。
⑯ああ、いったい本当に名馬がいないのか、
⑰それとも本当に名馬を見抜くことができないのか。

漢文「雑説」の重要事項 

 
 
いかがでしたでしょうか。
最後にこの文章での
重要な所は次の通りです。
 
 
 

・⑫の文章にある「策」と⑬の文章にある「食」は読めるようにしておきましょう。

・⑪の文章にある「安求其能千里也」は現代語訳ができるようにしておきましょう。

・⑯・⑰の文章は現代語訳ができるようにしておきましょう。

・⑫・⑬・⑭・⑮にある指示語の「之」は、一つだけ違うものを指しますので、分かるようにしておきましょう。
⑭の「之」→「食馬者」、⑫・⑬・⑮の「之」→「千里馬」

  
 
 
いやー。
勉強になりました。
ありがとうございました。
 
 
 
 
それは良かったです。
名馬を見抜ける鑑定家は
なかなかいないので、
諦めずに頑張って下さい。

 

 
 
そうですね。
諦めたらそこで
試合終了だって
安西先生も
言っていましたし。
 
 
『スラムダンク』じゃ
ないですか~。
よくご存じで。
頑張って下さいね。
三井さんみたいに。
 

シェアする

スポンサーリンク