『説苑(ぜいえん)』「景公の馬」の書き下しと現代語訳と重要表現の解説2

この記事で解決できること
・ひらがなで書き下す所が分かります。
・重要表現が分かります。
・現代語訳が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。

  

では、「景公之馬」の前回の続きの文章を見ていきましょう。

前回の解説はこちら。

  

『説苑』「景公の馬」の書き下しと和訳と重要表現の解説1

  
  

「景公之馬」本文

  

「景公之馬」書き下し文

※カギカッコの中のひらがなは現代仮名遣いの読み仮名です。色が付いている箇所は漢字をひらがなで書き下す箇所です。

⑧晏子矛を挙(あ)げて之に臨(のぞ)みて曰はく、
⑨「汝(なんじ)吾(わ)が君の為に馬を養ひて之を殺す。
⑩汝の罪死に当(あ)たる。
⑪汝吾が君をして馬を以(もっ)て故(ゆえ)に圉人を殺さむ。
⑫汝の罪又(また)死に当たる。
⑬汝吾が君をして馬を以ての故に人を殺し、四隣(しりん)の諸侯(しょこう)聞こえむ。
⑭汝の罪又死に当たる。」と。
⑮公曰はく、「夫子(ふうし)之を釈(ゆる)せ、夫子之を釈せ。
⑯吾が仁を傷(きず)つくること勿(な)かれ。」と。

 

語釈

語句 品詞と意味
⑧の文章  
 挙ゲテ 動詞。読みは「あ(げて)」。意味は「振り上げて」。
 而 置き字。読まない書き下さない。順接を表す。
 臨ミテ 動詞。読みは「のぞ(みて)」。意味は「向かって」。
 之 名詞。読みは「これ」。指示語で、ここでは「圉人」を指す。
⑨の文章   
 汝 二人称の代名詞。読みは「なんじ」。意味は「お前」。
 而 置き字。読まない書き下さない。順接を表す。
 之 名詞。指示語で、ここでは「馬」を指す。
⑩の文章   
 当タル 動詞。読みは「あ(たる)」。意味は「値する・相当する」。
⑪の文章   
 使 使役の助動詞。重要句形。読みは「し(む)」。意味は「~させる」。「~をして…しむ」の形で、「~に…をさせる」という訳になる。
 以 動詞。読みは「もっ(て)」。意味は「~という」。原因を示す。
 故 名詞。読みは「ゆえ」。意味は「理由」。
⑫の文章   
 又 副詞。読みは「また」。意味は「これもまた」。
⑬の文章   
 於 置き字。読まない書き下さない。対象を表す。
 四隣 名詞。読みは「しりん」。意味は「隣り合った周囲の国」。
⑮の文章   
 夫子 名詞。読みは「ふうし」。意味は「先生」。ここでは「晏子」のことを指す。
 釈 動詞。読みは「ゆる(せ)」。意味は「許してくだされ」。
 之 名詞。指示語で、ここでは「圉人」を指す。
⑯の文章   
 勿カレ 形容詞「なし」の命令形。読みは「な(かれ)」。意味は「~するな」。
 仁 名詞。意味は「仁徳」。
 也 置き字。読まない書き下さない。断定を表す。

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「景公之馬」和訳・現代語訳

⑧晏子は矛を振り上げて圉人に向かってこう言った、
⑨「お前はわが君のために馬を育ててこれを殺してしまった。
⑩お前の罪は死に値する。
⑪(さらに)お前はわが君に馬を死なせてしまったという理由で馬の世話係を殺させる。
⑫お前の罪はこれもまた死に値する。
⑬(さらに)お前はわが君に馬を死なせてしまった理由で人を殺したということを周りの諸侯に知れわたらせる。
⑭お前の罪はこれもまた死に値する。」と。
⑮景公はこう言った。「先生、この者を許してやってくれ。この者を許してやってくれ。
⑯(そしてこれ以上)どうか私の仁徳を傷つけないでくれ。」と。

漢文「景公之馬」の重要事項 

 
 
いかがでしたでしょうか。
最後にこの文章での
重要な所は次の通りです。
 
 
 

・⑪と⑬の文章には使役の構文がありますので、書き下し文と現代語訳ができるようにしておきましょう。

・⑧・⑨・⑮にある指示語の「之」は、一つだけ違うものを指しますので、分かるようにしておきましょう。
※⑨の「之」→「馬」、⑧・⑮の「之」→「圉人」

・⑪にある「之」は助詞の「の」ですので、間違えないようにしてましょう。

・⑯の文章は現代語訳ができるようにしておきましょう。

  
 
 
いやー。
勉強になりました。
結局、戈で
撃たなかったですね。
 
 
 
 
そうです。
これは教訓話なので、
自分の仁徳を
傷つけないように
気を付けましょう。

 

 
 
わかりました。
そしたら、もう戈
いりません。
あなたにあげます。
さようならー。
 
 
いらないよ~。
勝手に置いてかないで
下さい。
 

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