・音便が分かります。
・助動詞の種類と活用が分かります。
・敬語表現が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。
では、「木曽の最期」の前回の続きの文章を見ていきましょう。
前回の解説はこちら。
「木曽の最期」本文
太刀の先に貫き、高くさし上げ、大音声【注1】をあげて、「この日ごろ日本国に聞こえさせたまひつる【注2】木曾殿をば、三浦の石田次郎為久が討ち奉つたるぞや【注3】。」と名のりけれ【注4】ば、今井四郎いくさしける【注5】が、これを聞き、「今は誰をかばはん【注6】とてか、いくさをもすべき【注7】。これを見たまへ【注8】、東国の殿ばら【注9】。日本一の剛の者の自害する手本。」とて、太刀の先を口に含み、馬より逆さまに飛び落ち、貫かつて【注10】ぞ失せにける【注11】。さてこそ粟津のいくさはなかりけれ【注12】。
「木曽の最期」重要な品詞と語句の解説
語句【注】 | 品詞と意味 |
1 大音声 | 名詞。意味は「大声」。読みは「だいおんじょう」。 |
2 聞こえさせたまひつる | ヤ行下二段動詞「聞こゆ」の未然形+尊敬の助動詞「さす」の連用形+ハ行四段活用の補助動詞「たまふ」の連用形+完了の助動詞「つ」の連体形。意味は「聞こえなさった」。「させたまひ」は二重尊敬で、木曽義仲に対する敬意。
会話文の敬意の方向(誰から誰に)については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。 |
3 討ちたてまつたるぞや | タ行四段動詞「討つ」の連用形+ラ行四段活用の補助動詞「たてまつる」の連用形+完了の助動詞「たり」の連体形+係助詞「ぞ」+間投助詞「や」。意味は「討ち差し上げたぞ」。「たてまつ」は謙譲語で、木曽義仲に対する敬意。「たてまつ」は「たてまつり」が促音便化している。 |
4 名のりけれ | ラ行四段「名のる」の連用形+過去の助動詞「けり」の已然形。意味は「名乗った」。 |
5 しける | サ変動詞「す」の連用形+過去の助動詞「けり」の連体形。 |
6 かばはん | ハ行四段動詞「かばふ」の未然形+意志の助動詞「ん」の終止形。意味は「かばおう」。
「む(ん)」の見分け方については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。 |
7 すべき | サ変動詞「す」の終止形+意志の助動詞「べし」の連体形。意味は「いよう」。「べき」は係助詞「か」に呼応している。
係り結びの法則については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。 「べし」の見分け方については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。 |
8 見たまへ | マ行上一段動詞「見る」の連用形+ハ行四段活用の補助動詞「たまふ」の命令形。意味は「ご覧なされ」。 |
9 殿ばら | 名詞。意味は「武士たち」。 |
10 貫かつて | ラ行四段「貫かる」の連用形+接続助詞「て」。「貫かつ」は「貫かり」が促音便化している。 |
11 失せにける | サ行下二段動詞「失す」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の連用形+過去の助動詞「けり」の連体形。意味は「死んでしまった」。「ける」は係助詞「ぞ」に呼応している。 |
12 なかりけれ | ク活用の形容詞「なし」の連用形+過去の助動詞「けり」の已然形。「けれ」は係助詞「こそ」に呼応している。 |
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「木曽の最期」現代語訳
いかがでしたでしょうか。
この箇所で特に重要な文法事項は次の通りです。
・敬語表現は種類と敬意の方向が分かるようにしておきましょう。
・助動詞「べし」と「ん」の意味と現代語訳が分かるようにしておきましょう。
・注11「失せにける」は現代語訳できるようにしておきましょう。
ありがとうございました。
とても勉強になりました。
それは良かったです。
これから戦なんですよね。
頑張って下さい。
ところで、
何を食べているんですか?
タピオカです。
今、ブームですよね?
……。うーん…。
もう…、
去っているような…。