✔この記事で解決できること
・形容詞と形容動詞の種類と活用形が分かります。
・係り結びの法則が分かります。
・音便が分かります。
・定期試験でよく聞かれる所が分かります。
単行本でないなあー。
大変です!!
どうされたんですか?
大変なんです。
拾ってきたんです。
その娘が…。とにかく
一緒に行きましょう。
終わってもいい…
どっかで聞いたこと
あるセリフ!!!
敵を倒すために
しちゃったんです。
手にやかん持ってるー。
敵って誰ですかね?
倒されたくなかったら
してください。早く!
「なよ竹のかぐや姫」本文
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり【注1】。野山にまじり【注2】て竹を取りつつ、よろづのこと【注3】に使ひけり【注4】。名をば、さぬきの造となむいひける【注5】。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける【注6】。怪しがり【注7】て、寄りて見る【注8】に、筒の中光りたり【注9】。それを見れば、三寸【注10】ばかりなる【注11】人、いとうつくしう【注12】てゐたり【注13】。翁言ふやう、「われ朝ごと夕ごとに見る竹の中におはする【注14】にて知りぬ【注15】。子になりたまふべき【注16】人なめり【注17】。」とて、手にうち入れて、家へ持ちて来ぬ【注18】。妻の嫗に預けてやしなはす【注19】。うつくしき【注20】こと、限りなし【注21】。いと幼けれ【注22】ば、籠に入れてやしなふ。
「なよ竹のかぐや姫」重要な品詞と語句の解説
語句【注】 | 品詞と意味 |
1 ありけり | ラ変動詞「あり」の連用形+過去の助動詞「けり」の終止形。意味は「いた」。 |
2 まじり | ラ行四段動詞「まじる」の連用形。意味は「分け入る」。 |
3 よろずのこと | 連語。意味は「様々なこと」。 |
4 使ひけり | ハ行四段動詞「使ふ」の連用形+過去の助動詞「けり」の終止形。意味は「使った」。 |
5 いひける | ハ行四段動詞「いふ」の連用形+過去の助動詞「けり」の連体形。意味は「言った」。「ける」は係助詞「なむ」に呼応している。
係り結びの法則については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。 |
6 ありける | ラ変動詞「あり」の連用形+過去の助動詞「けり」の連体形。意味は「あった」。「けるは係助詞「なむ」に呼応している。 |
7 怪しがり | ラ行四段動詞「怪しがる」の連用形。意味は「不思議に思う」。 |
8 見る | マ行上一段動詞「見る」の連体形。 |
9 光りたり | ラ行四段動詞「光る」の連用形+存続の助動詞「たり」の終止形。意味は「光っている」。 |
10 三寸 | 名詞。約9センチ。「寸」は長さの単位で、一寸が約3センチ。 |
11 なる | 断定の助動詞「なり」の連体形。 |
12 うつくしう | シク活用の形容詞「うつくし」の連用形。意味は「かわいい」。「うつくしう」は「うつくしく」がウ音便化している。 |
13 ゐたり | ワ行上一段動詞「ゐる」の連用形+存続の助動詞「たり」の終止形。意味は「座っている」。 |
14 おはする | サ変動詞「おはす」の連体形。意味は「いらっしゃる」。「あり・居る」の尊敬語。 |
15 知りぬ | ラ行四段動詞「知る」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の終止形。意味は「知った」。 |
16 なりたまふべき | ラ行四段動詞「なる」の連用形+ハ行四段活用の補助動詞「たまふ」の終止形+当然の助動詞「べし」の連体形。意味は「おなりになるはず」。「たまふ」は尊敬語でかぐや姫に対する敬意。
「べし」の見分け方については、以下のページで詳しく解説をしていますので、よろしかったら、ご確認下さい。 |
17 なめり | 断定の助動詞「なり」の連体形+推定の助動詞「めり」の終止形。意味は「であるようだ」。元々は「なるめり」であったが、「なんめり」と撥音便化し、「ん」を表記しない「なめり」となった。 |
18 来ぬ | カ変動詞「来(く)」の連用形+完了の助動詞「ぬ」の終止形。意味は「帰った」。 |
19 やしなはす | ハ行四段動詞「やしなふ」の未然形+使役の助動詞「す」の終止形。意味は「育てさせる」。 |
20 うつくしき | シク活用の形容詞「うつくし」の連体形。 |
21 限りなし | ク活用の形容詞「限りなし」の終止形。意味は「この上ない」。 |
22 幼けれ | ク活用形容詞「幼し」の已然形。 |
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「なよ竹のかぐや姫」現代語訳
今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいた。野や山に分け入って、竹を取っては、様々なことに使っていた。名をさぬきの造と言った。(翁が行く)竹林の中に、根もとの光る竹が一本あった。不思議に思って近寄って見ると、筒の中が光っている。それを見ると、(背たけが)三寸ぐらいの人が、とてもかわいらしく座っている。翁が言うことには、「私が毎朝毎晩見る竹の中にいらっしゃるのでわかった。(この子は私の)子におなりになるはずの人であるようだ。」と言って、手の中に入れて、家へ持って帰った。妻であるおばあさんに預けて育てさせる。(この子の)かわいらしいことはこの上ない。たいそう幼いので、かごに入れて育てる。
いかがでしたでしょうか。
この箇所で特に重要な文法事項は次の通りです。
・上にある「重要な品詞と語句の解説」助動詞の意味と活用形が分かるようにしておきましょう。
・注16・17の文章「子になりたまふべき人なめり」は、現代語訳が分かるようにしておきましょう。
・注12・17の音便は元の形が分かるようにしておきましょう。
続きは以下のリンクからどうぞ。
『竹取物語』「なよ竹のかぐや姫」の現代語訳と重要な品詞の解説2
【市場通笑作歌川豊国画『御馴染花咲祖父』(寛政六年刊)・曲亭馬琴作北尾重政画『胴人形肢体機関』(寛政十二年刊)を参考に挿入画を作成】